説明
地球上のあらゆる生きものの命をつなぐ地表わずか18cmの土。作物を育んできた土の正体をとらえ、その過去・現在・未来を考える。
「土」がなければ、生きものたちは命をつなげない。しかし、地球に存在する土は平均すると地表わずか18cmで、そのうち「肥沃な土」は2割ほど。温暖化などで地球が悲鳴を上げている今こそ、土をよく知り、その保全のために私たちができることを考える。
●目次
土は地球にしかない? ……4
土はどのようにして作られる?~土は地球にとってどんな存在?~ ……6
世界の土は大きく12種類 ……8
世界の土とその肥沃度 ……10
土の過去・現在・未来
土とともに進化してきた生きものの歴史 6億年前(土の誕生)から ……12
人間と土の関わりの歴史 1万年前から ……14
今、地球は疲れ切っている ……16
土の未来を考える ……18
作物の育ちを支える土の話
作物にとって「よい土」とは ……20
土の正体-水と空気が半分もある‼ ……22
土の正体-半分は無機物と有機物‼ ……24
改めて-「作物にとってよい土」とは
1⃣水はけと水持ちがよいこと ……26
2⃣厚く軟らかな土 3⃣土壌pHが酸性、アルカリ性に偏らない ……28
4⃣作物に必要十分な養分を含んでいること ……29
まんがでナットク 根はどのように養分を吸収するのか ……30
植物の必須元素と生理作用 ……33
土から持ち出した養分をどう補うか ……34
有機肥料も化学肥料もどっちも大事 ……35
5⃣土作りの主役「土壌生物」が元気① ……36
5⃣土作りの主役「土壌生物」が元気② ……38
土がないと地球はどうなる? ……40
用語解説 ……42
●監修・共著
矢内 純太(ヤナイ ジュンタ)
京都府立大学生命環境科学研究科教授。
専門分野は土壌学。日本およびアジアにおける農耕地土壌肥沃度の評価と管理、水田土壌におけるへの有機物蓄積機構の解明とその最適化、東日本大震災後の安全安心な食料生産のための土壌管理法の提示など、国内外の土壌に関わるさまざまな課題に取り組んでいる。
日本土壌肥料学会理事、日本ペドロジー学会評議員、国際土壌科学連合副部会長などを歴任。
『土のひみつ 食料・環境・生命』(朝倉書店、2015)』、『土壌サイエンス入門 第2版』(文永堂出版、2018)、『緑の革命下の熱帯アジア水田土壌肥沃度の長期的変動』(シュプリンガー、2022(英語))、『事典-日本の土壌』(朝倉書店、2023)などの執筆を担当。大阪府出身。
●企画・編集・共著
藤原 勝子(フジワラ カツコ)
女子栄養大学を卒業後、同出版部で月刊『栄養と料理』などの編集に携わり、フリーランスを経て、1978年に(株)群羊社の創立に参画、82年に(株)食生活プランニングを設立。「食と健康」をテーマとする書籍や雑誌、食育教材の企画・編集制作、フードビジネス企画などに携わる。1992年にはジャパン・フードコーディネーター・スクールを開校し、2007年まで校長を務める。
現在、(株)群羊社専務取締役。食生活ジャーナリスト。
著書に、『フードコーディネーターになるには』(ぺりかん社)、『私は「食」の演出家』(亜紀書房)、食育絵本シリーズ『魚の教え』『牛の教え』(群羊社/編著)など。
●デザイン 浮田邦彦(プロップ)
●イラスト 牛川いぬお エダりつこ 城谷英男
●編集協力 熊木雅代
●校正 秋葉智子